レセプトチェッカーのアルゴリズムは文字列照合。
最初に発表したのは2003年(平成15年)9月3日長崎で開催された第18回保団連医療研究集会でした。
シンポジウムⅡ【医療ITの功罪】
シンポジスト:松岡正己(故人)・秋山昌範・本田孝也
罪:あらゆる医療行為や病気をコード化し標準化することは、一種の包括化であり、いろんな意味で医療の“個性”が失われる可能性がある。同時に審査・査定・指導が簡単に出来てしまう。また個人情報が漏洩、悪用される危険が付きまとう。
この年よりレセプト電子請求が始まりました。
現在では全レセプトの98%が電子媒体で提出されています。
社会保険診療報酬支払基金HPより
12年前の未来予想図は現実のものとなりつつあります。
-今月の減点事例-
平成26年4月の入院患者のレセプトです。
ネシーナ錠25mgがA査定:適応と認められないもの
糖試験紙法(血)がB査定:過剰と認められるもの
として減点されました。
1型糖尿病の患者でインスリンの自己注射を行っています。
入院中は在宅自己注射管理料は算定できないため、血糖測定は出来高で請求します。
内規により入院中の血糖測定は月に100回までと決まっているので、16回分が減点されました。
レセプトチェッカーは合格判定をしています。
ネシーナ錠25mgはどうして減点されたのでしょう。
ネシーナ錠25mgのチェックデータは“糖尿病”なので、1型糖尿病には“糖尿病”の文字列が含まれるため合格判定しました。
ところが、ネシーナ錠25mgの適応症は、
効能又は効果
2型糖尿病
なので、1型糖尿病は適応外です。
実際には1型糖尿病にDPP-4阻害剤を使用することもあるのですが、保険請求上は減点されても仕方ありません。
このような場合、誤判定病名登録を行います。
Hit病名の「1型糖尿病」をダブルクリックして、[誤判定病名登録]ボタンをクリックすると、「1型糖尿病」が「誤判定病名」に登録されます。
以後レセプトチェッカーは、ネシーナ錠25mg“糖尿病”の文字列を含んでいても、「1型糖尿病」は不合格と判定するようになります。